瀬田 なつき

『彼方からの手紙』

2007年/HD/85分

吉永が働く不動産屋に訪れた少女。吉永は彼女の頼みで、彼女がかつて住んでいた家を一緒に訪れる。空き家には、まだ人の気配があり、そこにあったビデオテープに映っていたものを見た彼は奇想天外な出来事に飲まれていく。やがて吉永と彼女は再び日常に戻っていくのだが……。ポップでカラフル、若干切ない“彼方”へのロードムーヴィ。東京国際映画祭チェアマン特別奨励賞。

監督・脚本・編集:瀬田なつき/撮影:佐々木靖之/出演:スズキジュンペイ、朝倉あき、三村恭代

『とどまるか なくなるか』

2002年/DV/36分

1995年初夏。小川里佳は都内に住む中学生。兄が消え、父は転勤が決まり、母は入院。“家”からは家族の記憶が徐々に薄れていく……。

監督・脚本・編集:瀬田なつき/撮影:松本岳大/出演:嶺野あいか、洞口依子、桐本琢也

『港の話』

2006年/DV/18分

“今、そこにある差別”という黒沢清教授に与えられたテーマのもと、東京藝術大学で作った初期実習作品。

監督・脚本・編集:瀬田なつき/撮影:佐々木靖之/出演:岡部尚、木下美紗都

『むすめごころ』

2007年/HD/25分

複雑な“むすめごころ”を浮遊したカメラワークと演出でまとめた水玉模様の作品。川端康成の原作を映画化したオムニバス『夕映え少女』の一篇。

監督:瀬田なつき/脚本:菅野あゆみ/撮影:山本大輔/出演:山田麻衣子、高橋真唯、柏原収史

『あとのまつり』

2009年/HD/19分

その街では忘れてしまうことが日常となっていた。だから13歳のノリコたちは、忘れられることも忘れることも恐れないように、挨拶は「はじめまして」にしている。ある日、彼女は友達のトモオとふたりで、自分たちのことを書いた手紙を風船に託す。遠くの誰かに、ふたりがこの世界にいたことを知ってもらうために。だがやがてノリコたちにも忘却が訪れる……。

監督・脚本・編集:瀬田なつき/撮影:佐々木靖之/出演:中山絵梨奈、福田佑亮、太賀

瀬田なつきの選ぶこの一本

『ネネットとボニ』

1996年/35ミリ/103分

両親の別居によって離れていた兄妹が、妹の妊娠をきっかけに再会し、反発し合いながらも求め合い、新しい命を迎えるまでを繊細に描く。肌やパンの質感、柔らかさを捉えるきめ細やかな映像のなかで、主演ふたりをはじめV・ブルーニ=テデスキやV・ギャロらの俳優が、他作品とはまったく異なる表情を見せる。詩的な映像で熱狂的なファンを持ち、フランス映画の枠をつねに跳び越えつづける女性監督クレール・ドゥニの代表作。

監督・脚本:クレール・ドゥニ/脚本:ジャン=ポール・ファルジョー/撮影:アニエス・ゴダール/出演:グレゴワール・コラン、アリス・ウーリ、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ヴィンセント・ギャロ、ジャック・ノロ